トランジェント解析テスト
解析の目的
トランジェント解析(過渡解析)は、時間に依存する電磁現象をシミュレートするための方法です。任意の電流波形や電圧波形を与えた解析が可能です。
現状の機能では,TP-EEC法の設定には対応できていません。 また,例えば外部トルクを印加した負荷応答解析や脱調模擬解析(Dynamic module使用)は対応していません。 将来的にこれらの機能もサポートする予定です。
Transientの作成
トランジェント解析(過渡解析)を追加するには、プロジェクトツリー内の Analysis マイルストーンを右クリックし、Transient を選択します。これにより、Analysis マイルストーンの下にユニークな名前を持つトランジェント解析ノードが作成されます。プロジェクトディレクトリ内には指定された名前の新しいフォルダが作成され、EMSolution 用の入力制御ファイル(JSON形式)が生成されます。

プロジェクトウィンドウにも新しいタブが追加され、解析名が表示されます。このタブには以下のサブセクションが含まれます:
- Input Control(入力制御): このタブには JSON 形式の入力制御ファイルが表示されます。ユーザーはこのタブ内で直接ファイルを編集することができます。また、このタブには
Run(実行)およびTerminate(中止)ボタンがあり、EMSolution の実行や中止が可能です。 - JSON View(JSONビュー): このビューでは解析フォルダ内のすべての JSON ファイルを読み取り専用で表示します。入力制御ファイル、メッシュファイル、その他関連ファイルを参照できます。
解析チェックポイントを右クリックし、表示されるコンテキストメニューからリネーム、削除、検証、フォルダの表示などの操作を行うことができます。

ネットワークエディタ
Network Editorをクリックすると,ポップアップウィンドウで回路構成をテーブル上で編集できます。
デフォルトで電流源とFEM領域コイルが3相Y結線で接続された回路図が設定されています。
通常の3相PMSMなら電流源の値を変更するだけで解析が可能となります。
テーブルはType、ID、Start、End、Value、Identifierの項目があります。
Typeは回路素子の種類をプルアウトメニューから選択します。選択項目にはFEM(FEM領域に定義されたコイル)、VPS(電圧源)、CPS(電流源)、R(電気抵抗)、L(インダクタ)、C(キャパシタ)があります。IDは回路素子内の各素子に割り当てる番号です。各素子は別のIDを持つ必要があります。デフォルトで表の上から順に数値が割り当てられます。StartとEndは回路上のノードを指定するための番号です。Startが始点、Endが終点に相当します。Valueはその素子の値か参照するIDを入力します。FEMはWindingのIDを入力します。3相の場合,1~3がU、V、W相のWindingに相当します。VPS、CPSはTime IDを入力します。Time IDは次の項目であるTime Evolutionsで設定します。デフォルトの電流源には1~3が割り当てられており、「Time Evolution」にも対応するデフォルトIDが用意されています。単位はそれぞれV、Aです。R、L、Cは各素子の値を直接入力します。単位はそれぞれΩ、H、Fです。
時間関数の設定
Time Evolutionsは解析内で用いる時間関数を設定します。例えば、Network Editorで設定したCPSなどが対象です。デフォルトでNetwork EditorのCPSのU、V、W相に相当するID 1~3が用意されています。テーブルで対象のIDをクリックすると、時間関数を編集できます。Typeから関数の設定方法を選択します:
Described by EquationはPropartyの値を入力して関数を定義します。入力テーブルの下に示された関数を参考に各Propartyに対応する値をテーブルで入力してください。Data Tableはテーブル形式で関数を定義します。TIME_expressionに時間データ、VALUE_expressionに値データを入力します。Harmonic Time Evolutionは余弦関数()のAMPLITUDE(振幅)、TCYCLE(周期)、PHASE(位相)を入力します。
交流を通電する場合はHarmonic Time Evolutionを推奨します。同期モータでは周期は回転数と一致している必要があります。
回転数をrpm、極数をとしたとき、周期secは以下で求まります:
T=\frac{p}{2}}\frac{N}{60}=\frac{pN}{120}
トランジェント解析の設定
トランジェント解析の設定には以下があります:
Rotor Position(ロータ初期位置)はロータの初期位置を指定します。このとき,角度はd軸(ロータ磁石のN極の方向)とU相巻線のなす角であり、電気角となります。単位はdegです。Rotor speed(ローター回転数)はロータの回転数を指定します。単位はrpmです。Delta time(時間刻み幅)は時間刻み幅を指定します。単位はsecです。Number of time steps(時間ステップ数)は時間ステップの数を指定します。
モータ解析では1ステップで機械角1度となるように時間刻み幅を決めるのが一般的です。
この場合のDelta timeは機械角での周期から360を割ることで求まります。
回転数をrpmとすると,時間刻み幅secは以下で求まります:

解析の実行
解析を実行するには、対応する解析タブ内の Run ボタンをクリックするか、プロジェクトツリー内の解析チェックポイントを右クリックして Run を選択します。解析が実行され、結果は対応するフォルダ内に保存されます。
解析を実行する前に、eMotorSolution は対応するフォルダ内にメッシュファイルが存在するかを確認します。メッシュファイルが存在しない場合は、Mesh フォルダからコピーされます。存在する場合は、既存のメッシュファイルがそのまま使用されます。
メッシュファイルを変更した場合は、既存のメッシュファイルを削除することを推奨します。これにより、最新のメッシュファイルを用いた解析が確実に行われます。削除するには、プロジェクトツリー内の解析チェックポイントを右クリックし、Purge > Purge All を選択します。

また、Purge > Purge Solutions オプションを使用すると、メッシュファイルを削除せずに、すべての解ファイル(ソリューションファイル)のみを削除できます。これは、メッシュファイルを保持したまま古い解析結果を削除してディスク容量を確保したい場合に有効です。
結果の表示
解析チェックポイントを右クリックし、Plot Field または Plot Output を選択することで、フィールド結果および出力結果を表示できます。フィールド結果は Field タブに、出力結果は Output タブにそれぞれ表示されます。内蔵のプロットツールを使用して、結果の可視化が可能です。