17.3 表面定義電流ソース#
有限要素メッシュ内のコイル領域を定義し,その領域内の要素に電流密度を一様に与えることができます。 コイル領域は,矩形断面のコイル領域を定義することができます。
設定項目#
SDEFCOIL(17.3)
JSONキー:表面定義電流ソースオブジェクト
SERIES_ID(17.3)
系列番号。
IN_ROTOR(17.3)
定義領域が回転子にあるかどうかのフラグ。
MAT_ID(17.3)
領域設定する物性番号。
SMAT_IDS(17.3)
導体を取り囲む面の物性番号。
CURRENT(17.3)
規格化電流値。
SIGMA(17.3)
要素の導電率
CAL_Je(17.3)
定義領域の渦電流を考慮するかのフラグ
設定フォーマット#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
- 種類:
固定パラメータセット1
- 行数:
2
- パラメータ数:
4, 7
* SDEFCOIL * SERIES_NO * NO_PARTS * OPTION *
SDEFCOIL I I I
* MAT_ID * S_ID1 * S_ID2 * SID_3 * SID_4 * CURENT * SIGMA *
I I I I I E E
JSONフォーマット#
"17_Field_Source" :
[
{
"SDEFCOIL" :
{
"SERIES_ID" : I,
"IN_ROTOR" : I,
"data" :
[
{
"MAT_ID" : I,
"SMAT_IDS" : [ I, I, I, I ],
"CURRENT" : E,
"SIGMA" : E,
"CAL_Je" : I
}
]
}
}
]
詳細説明#
SDEFCOIL
は,矩形断面のコイル領域の4面を定義し,コイル領域内の要素の電流密度を一様にすることができます。台形断面のコイル領域にも定義することができますが,電流密度がやや偏りますが,トータルの電流量は変わりません。
Hint
二次元解析で SDEFCOIL
を使用するメリットは,軸対象二次元解析の場合が適当です。
三次元解析で SDEFCOIL
はモータ解析でのコイルエンドを含めたコイルのモデリングや,変圧器のコイルのモデル化が有効です。
SDEFCOIL#
- SDEFCOIL(17.3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
[row, col] = [1, 1]
- 型:
文字列 (S)
- 説明:
表面定義電流ソース
SDEFCOIL
の指定。
SERIES_ID#
- SERIES_ID(17.3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
[row, col] = [1, 2]
- 型:
整数 (I)
- 説明:
ソース項の識別番号。
IN_ROTOR#
- IN_ROTOR(17.3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
[row, col] = [1, 3]
設定値 |
説明 |
---|---|
0 |
固定部内。 デフォルト値 |
1 |
可動部内。 |
交流定常解析で,スライド運動でスリップがある場合,
N_CORRECT(8)
≠0 の場合必要。
data#
- data(17.3)#
- JSONキー:
表面定義電流ソースのデータ
data
は配列で, SDEFCOIL
要素の数だけ定義する。
MAT_ID#
- MAT_ID(17.3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
[row, col] = [2, 1]
- 型:
整数 (I)
- 説明:
表面定義電流ソースを与える要素の物性番号 (
MAT_ID(16.1)
)。
SMAT_IDS#
- SMAT_IDS(17.3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
[row, col] = [2, 2]
- 型:
整数配列 (I)
- 数:
4
- 説明:
導体を取り囲む面の物性番号。電流方向に対して右ねじの順に配列で指定する。
"SMAT_IDS" : [ 1, 2, 3, 4 ]
紙面手前方向を正
1: 上面
2: 左面
3: 下面
4: 右面
CURRENT#
- CURRENT(17.3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
[row, col] = [2, 3]
- 型:
実数 (E)
- 単位:
A
- 説明:
通過規格化電流量。
巻線コイルの場合,ターン数と読み替えると理解しやすい。
SIGMA#
- SIGMA(17.3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
[row, col] = [2, 4]
- 型:
実数 (E)
- 単位:
\(S/m\)
- 説明:
要素の電気伝導率。シリーズの抵抗が計算される。
CAL_Je#
- CAL_Je(17.3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
[row, col] = [2, 5]
設定値 |
説明 |
---|---|
0 |
定義領域の渦電流を考慮しない デフォルト値 |
1 |
定義領域の渦電流を考慮する。導電率は |
Caution
表面定義電流ソース入力は長方形断面のコイルに対し有効。要素は,トータルポテンシャル領域にある必要がある。
コイル導体の体積要素に一定の物性番号を指定する。幾つかの物性番号の異なった部分に分けてもよい。このコイル導体領域に対しそれを取り囲む表面(4 面)を面要素で定義し,それぞれに異なった物性番号を指定する。面要素は,コイル導体内向きに向かう方向で定義すること。
MAT_ID(16.1)
を入力メッシュデータファイルで定義しておく必要が有る。これらに対して,物性に対しSIGMA(16.1)
=0.,MU(16.1)
=1.0 としておく必要がある。CIRCUIT(17.8)
,NETWORK(17.9)
と結線が必要。

SDEFCOIL
の定義例#