3. ポテンシャルとゲージ条件#

使用する電磁ポテンシャルやその他オプション設定をします。

設定項目#

3_Potential_Gauge_Conditions JSONキー:ポテンシャルとゲージ条件オブジェクト

POTENTIAL(3) 使用するポテンシャルの設定。

NODAL_FORCE_METHOD(3) 節点力計算のオプション

PHI_OPTION(3) 電気スカラーポテンシャルの設定。

FIXED_COORDINATE(3) 直流場渦電流解析(STEADY_CURRENT=1)の時に有効

TREE_GAUGE(3) 無効(木構造によるゲージの設定。現在動作不定)

REGULARIZATION(3) 電流磁場ソースに対して方程式の正則化の設定

RENUMBERING(3) 行列のリナンバリングの設定

SCALING(3) 行列の対角スケーリングの設定

LINE_SEARCH(3) 非線形計算時の直線探索法の設定

MATRIX_ASYMMETRICITY(3) 行列の非対称性の設定。非対称行列を使用する場合の設定

設定フォーマット#

テキストフォーマットの折りたたみセクション
種類:

固定パラメータセット

行数:

2

パラメータ数:

4, 6

Text format#
* POTENTIAL * NODAL_FORCE_METHOD * PHI_OPTION * FIXED_COORDINATE *
    I              I                 I              I
* TREE_GAUGE * REGULARIZATION * RENUMBERING * SCALING * LINE_SEARCH * MATRIX_ASYMMETRICITY *
    I              I               I           I            I                 I

Important

TREE_GAUGE オプションは無効。-1 を指定すること。

JSONフォーマット#

JSON format from 2024.11#
"3_Potential_Gauge_Conditions": {
    "POTENTIAL": I,
    "NODAL_FORCE_OPTION": I,
    "PHI_OPTION": I,
    "FIXED_COORDINATE": I,
    "TREE_GAUGE": I,
    "REGULARIZATION": I,
    "RENUMBERING": I,
    "SCALING": I,
    "LINE_SEARCH": I,
    "MATRIX_ASYMMETRICITY": I
},

Important

Release 2024.11

JSON フォーマットでは,これらのパラメータは定義しなくてもデフォルト値を使用します。 デフォルト値は詳細説明をご覧ください。

サンプル#

静解析#

テキストフォーマットの折りたたみセクション
Text format#
* POTENTIAL * NODAL_FORCE_METHOD * PHI_OPTION * FIXED_COORDINATE *
    0              0                 0              0
* TREE_GAUGE * REGULARIZATION * RENUMBERING * SCALING * LINE_SEARCH * MATRIX_ASYMMETRICITY *
    -1              0               0           0            0                 0
JSON format from 2024.11#
"3_Potential_Gauge_Conditions": {
    "POTENTIAL": 0,
    "NODAL_FORCE_OPTION": 0,
    "PHI_OPTION": 0,
    "FIXED_COORDINATE": 0,
    "TREE_GAUGE": -1,
    "REGULARIZATION": 0,
    "RENUMBERING": 0,
    "SCALING": 0,
    "LINE_SEARCH": 0,
    "MATRIX_ASYMMETRICITY": 0
},

"3_Potential_Gauge_Conditions": {
    "POTENTIAL": 0,
},

過渡解析#

渦電流解析を行う場合, POTENTIAL =2とするのが適当です。

テキストフォーマットの折りたたみセクション
Text format#
* POTENTIAL * NODAL_FORCE_METHOD * PHI_OPTION * FIXED_COORDINATE *
    2              0                 0              0
* TREE_GAUGE * REGULARIZATION * RENUMBERING * SCALING * LINE_SEARCH * MATRIX_ASYMMETRICITY *
    -1              0               0           0            0                 0
JSON format from 2024.11#
"3_Potential_Gauge_Conditions": {
    "POTENTIAL": 2,
    "NODAL_FORCE_OPTION": 0,
    "PHI_OPTION": 0,
    "FIXED_COORDINATE": 0,
    "TREE_GAUGE": -1,
    "REGULARIZATION": 0,
    "RENUMBERING": 0,
    "SCALING": 0,
    "LINE_SEARCH": 0,
    "MATRIX_ASYMMETRICITY": 0
},

"3_Potential_Gauge_Conditions": {
    "POTENTIAL": 2,
},

交流定常解析#

渦電流解析を行う場合, POTENTIAL =2とするのが適当です。

テキストフォーマットの折りたたみセクション
Text format#
* POTENTIAL * NODAL_FORCE_METHOD * PHI_OPTION * FIXED_COORDINATE *
    2              0                 0              0
* TREE_GAUGE * REGULARIZATION * RENUMBERING * SCALING * LINE_SEARCH * MATRIX_ASYMMETRICITY *
    -1              0               0           0            0                 0
JSON format from 2024.11#
"3_Potential_Gauge_Conditions": {
    "POTENTIAL": 2,
    "NODAL_FORCE_OPTION": 0,
    "PHI_OPTION": 0,
    "FIXED_COORDINATE": 0,
    "TREE_GAUGE": -1,
    "REGULARIZATION": 0,
    "RENUMBERING": 0,
    "SCALING": 0,
    "LINE_SEARCH": 0,
    "MATRIX_ASYMMETRICITY": 0
},

"3_Potential_Gauge_Conditions": {
    "POTENTIAL": 2,
},

詳細説明#

3_Potential_Gauge_Conditions#

3_Potential_Gauge_Conditions#
JSONキー:

ポテンシャルとゲージ条件オブジェクト

POTENTIAL#

POTENTIAL(3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [1, 1]

使用する電磁ポテンシャルの指定。

使用ポテンシャルオプション#

設定値

説明

0: デフォルト値

\(A, Ar\)

2

\(A + \phi, Ar\)

4

\(As + \phi\)

\(A\) : トータル磁気ベクトルポテンシャル

\(Ar\) : 変形磁気ベクトルポテンシャル

\(\phi\) : 電気スカラポテンシャル

\(As\) : COIL(17.1) 印加磁場による磁気ベクトルポテンシャル。

\(As\)COIL(17.1) により計算し、\(\phi\) を未知数として解く低周波磁場変動下の誘導電流解析を行う。この時、TRANSIENT(2) =1 とし、解析領域全体は空気を含まない導体とする。FAR_BOUNDARY_CONDITION(13) =1 とする。

=0 渦電流解析を行わない場合,0とする。 =2 は渦電流を含む解析では推奨。

Tip

\(\phi\) を用いると変数が多くなるが、ICCG収束が早くなる場合が多い。特に渦電流を含む解析や、 SUFCUR を用いる場合に有効。

NODAL_FORCE_METHOD#

NODAL_FORCE_METHOD(3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [1, 2]
節点力計算オプション#

設定値

説明

0: デフォルト値

磁性体内の Maxwell 応力を含む。

1

磁性体内の Maxwell 応力を無視する。磁性体表面に接する空気部の Maxwell 応力が計算されます。

Tip

磁性体全体の力やトルクのみが必要な場合は、=1で十分。また, NODAL_FORCE_METHOD(3) =0 の場合に比べ計算も速いですが,通常あまり使用しません。

PHI_OPTION#

PHI_OPTION(3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [1, 3]
電気スカラーポテンシャルオプション#

設定値

説明

0: デフォルト値

\(\phi\) として電気スカラポテンシャルの時間積分を用いる。

1

\(\phi\) として電気スカラポテンシャルそのものを用いる。CG法の収束が早い。

Note

Release 2024.11

r12.0までは,直流場渦電流計算( STEADY_CURRENT(2) =1)で使用するオプション。 2023.11以降は通常の渦電流解析でも使用可能だが,0とするのが望ましい。

FIXED_COORDINATE#

FIXED_COORDINATE(3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [1, 4]
直流場渦電流計算座標系オプション#

設定値

説明

0: デフォルト値

導体に固定された運動座標系を用いる。

1

空間に固定された座標系を用いる。 STEADY_CURRENT(2) =1 の解析時に,導体が接触導通して運動する場合、このオプションを指定する必要がある。

TREE_GAUGE#

TREE_GAUGE(3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [2, 1]
木構造ゲージオプション#

設定値

説明

-1 デフォルト値

木構造によるゲージを課さない。

0

木構造により完全にゲージを固定する。ゼロ固定辺は要素順に選択され、規則性はない。

1

x方向のツリー辺をゼロ固定する。

2

y方向のツリー辺をゼロ固定する。

3

z方向のツリー辺をゼロ固定する。

Warning

現在動作不定。=-1とすること

元の設定値: 0とすると変数が少なくなり解析容量が小さくなるが、-1の場合に比べて ICCGの収束が極端に遅くなる。1,2,3の使用は特殊で特に必要はない。

REGULARIZATION#

REGULARIZATION(3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [2, 2]
正規化オプション#

設定値

説明

0: デフォルト値

正則化を行わない。

1

COIL(17.1) , ELMCUR(17.2) , SDEFCOIL(17.3) に対して方程式の正規化を行う。ICCG法の収束が良くなるが、電流不連続性がある場合は注意が必要。

Important

電流磁場ソース のシリーズ毎に正規化されるため、各シリーズに電流の発散がゼロの条件が課される。

RENUMBERING#

RENUMBERING(3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [2, 3]
リナンバリングオプション#

設定値

説明

0: デフォルト値

行列のリナンバリングを行う。ICCG法の収束を早める。

-1

行列のリナンバリングを行わない。必要容量の節減となる。

Note

通常変更しない。

SCALING#

SCALING(3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [2, 4]
スケーリングオプション#

設定値

説明

0: デフォルト値

行列の対角スケーリングを行う。

-1

行列の対角スケーリングを行わない。効果が無い場合が殆ど。

Note

通常変更しない。

MATRIX_ASYMMETRICITY#

MATRIX_ASYMMETRICITY(3)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [2, 6]
行列の非対称性オプション#

設定値

説明

0: デフォルト値

対称磁気特性とする。もしくは強制的に対称として解析する。 ANISOTROPY(16.1) =1 を使用時でBHカーブの異方性が弱いとき、対称化しても収束し,解析結果にはほぼ影響を与えない。

1

非対称磁気特性とする。異方性が強く、対称化すると収束しない場合に選択する。計算容量は大きくなる。Jiles&Athertonモデル J_A_Model(16.1) 、プレイモデル Play_Model(16.1) を使用する場合、必須。