VI-2. Post Files#
EMSolution
は、分布データファイルを出力します。ファイル形式は、10.2 出力ファイル POST_DATA_FILE(10.2)
で指定します。
通常のファイルフォーマットの場合(CADAS および HyperView 出力以外) では、各種分布量を個別のファイルで出力します。
一方、CADAS 出力の場合は、各種分布量を CADAS フォーマットで単一のファイル post.cad に出力します。POST_DATA_FILE=6 を指定することで CADAS フォーマットで出力され、別途出力されるメッシュファイル post_geom をこのファイルの前に結合することで、CADAS 入力ファイルとして使用できます。以下に、CADAS ファイルでの物理量の名前 (VNAME) を示します。
HyperView 出力の場合も CADAS と同様に、各種分布量を HyperView フォーマットで単一のファイル post.hwascii に出力します。
ファイル magnetic#
MAGNETIC(10.3)
磁束密度分布を出力します。磁束密度の単位は \(T \, (Wb/m^2)\) です。
<input ファイルで ELEM_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
要素量(要素中心で評価します。)
磁束密度 x 方向成分 (B-X)
磁束密度 y 方向成分 (B-Y)
磁束密度 z 方向成分 (B-Z)
磁束密度絶対値 (B-SQR)
<input ファイルで NODE_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
節点量(磁束密度は節点に結合する各要素節点値を単純平均します。)
磁束密度 x 方向成分 (B-X)
磁束密度 y 方向成分 (B-Y)
磁束密度 z 方向成分 (B-Z)
磁束密度絶対値 (B-SQR)
磁束量(Wb)* (FLUX)
二次元計算時( GEOMETRY(12)
=1,2)の時)に出力。
GEOMETRY(12)
=1 の時:DELTA_Z_THETA(12)
に通る磁束量。GEOMETRY(12)
=2 の時:DELTA_Z_THETA(12)
* r に通る磁束量。
ここで, DELTA_Z_THETA(12)
は input ファイルで定義します。
次図を参照ください。

二次元計算時の磁束量の計算面#
ファイル current#
CURRENT(10.3)
電流密度分布を出力します。電流密度の単位は \(A/m^2\) です。導体領域(渦電流発生領域, ELMCUR(17.2)
, SDEFCOIL(17.3)
, PHICOIL(17.4)
, DCCURR(17.5)
, SUFCUR(17.6)
指定領域)に対して出力します。
<input ファイルで ELEM_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
要素量(要素中心で評価します。)
電流密度 x 方向成分 (J-X)
電流密度 y 方向成分 (J-Y)
電流密度 z 方向成分 (J-Z)
電流密度絶対値 (J-SQR)
ジュール発熱分布(W/m3) (Q)
<input ファイルで NODE_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
節点量(節点に結合する各導体要素節点値を単純平均します。)
電流密度 x 方向成分 (J-X)
電流密度 y 方向成分 (J-Y)
電流密度 z 方向成分 (J-Z)
電流密度絶対値 (J-SQR)
ジュール発熱分布(W/m3) (Q)
ファイル surface_current#
SURFACE_IMPEDANCE(16.2)
表面インピーダンス面に対する電流密度分布を出力します。電流密度の単位は \(A/m\) で
面電流密度で,電流を面に垂直方向に積分した量を示します。
<input ファイルで ELEM_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
要素量(要素中心で評価します。)
電流密度 x 方向成分 (JS-X)
電流密度 y 方向成分 (JS-Y)
電流密度 z 方向成分 (JS-Z)
電流密度絶対値 (JS-SQR)
ジュール発熱分布(W/m2) (Q)
<input ファイルで NODE_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
節点量(節点に結合する各インピーダンス面要素節点値を単純平均します。)
電流密度 x 方向成分 (JS-X)
電流密度 y 方向成分 (JS-Y)
電流密度 z 方向成分 (JS-Z)
電流密度絶対値 (JS-SQR)
ファイル force#
FORCE_NODAL(10.3)
節点力法により解析した電磁力を出力します。
<input ファイルで ELEM_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
要素量(節点力を節点に結合する要素(空気を除く)に体積加重を掛けて割り振ります。)
電磁力 x 方向成分 (NFOR-X)
電磁力 y 方向成分 (NFOR-Y)
電磁力 z 方向成分 (NFOR-Z)
電磁力絶対値 (NFOR-SQR)
<input ファイルで NODE_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
節点量(節点力を \(N\) で出力します。)
電磁力 x 方向成分 (NFOR-X)
電磁力 y 方向成分 (NFOR-Y)
電磁力 z 方向成分 (NFOR-Z)
電磁力絶対値 (NFOR-SQR)
ファイル surface_force#
FORCE_NODAL(10.3)
=3の面要素の節点力法による節点の電磁力を出力します。
節点量(節点力を \(N\) で出力します。)
電磁力 x 方向成分 (NFOR-X)
電磁力 y 方向成分 (NFOR-Y)
電磁力 z 方向成分 (NFOR-Z)
電磁力絶対値 (NFOR-SQR)
ファイル force_J_B#
FORCE_J_B(10.3)
ローレンツ力の体積積分した電磁力を出力します。
<input ファイルで ELEM_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
要素量
電磁力 x 方向成分 (LFOR-X)
電磁力 y 方向成分 (LFOR-Y)
電磁力 z 方向成分 (LFOR-Z)
電磁力絶対値 (LFOR-SQR)
<input ファイルで NODE_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
節点量(節点力を \(N\) で出力します。)
電磁力 x 方向成分 (LFOR-X)
電磁力 y 方向成分 (LFOR-Y)
電磁力 z 方向成分 (LFOR-Z)
電磁力絶対値 (LFOR-SQR)
ファイル heat#
HEAT(10.3)
各要素内の発熱密度,発熱量を出力します。過渡解析の場合,各ステップ (AVERAGE(10.2)
=0) あるいは時間平均量 (AVERAGE(10.2)
=1) を出力します。交流定常解析の場合は出力フェーズ毎 (AVERAGE(10.2)
=0),あるいは一周期平均 (AVERAGE(10.2)
=1) を出力します。
<input ファイルで HEAT(10.3)
=1 と設定した場合>
要素量
発熱密度 (W/m3) (HEAT-DEN)
発熱量 (W) (HEAT-VOL)
各要素の要素番号,要素の物性番号,中心座標 XYZ (m),要素平均発熱 (W/m3) を出力します。
ファイル surface_heat#
HEAT(10.3)
交流定常解析において,表面インピーダンス法を用いた場合,一周期の各表面インピーダンス要素平均発熱量を出力します (HEAT(10.3)
=1, AVERAGE(10.2)
=1 の時)。各要素内の発熱を体積積分します。
要素量
発熱面密度 (W/m2) (SHEAT-DEN)
発熱量 (W) (SHEAT-VOL)
ファイル disp#
DISP(10.3)
運動を含む解析の場合,運動部の各節点の変位量を出力します (DISP(10.3)
=1 の時)。
節点量
変位 x 成分 (m) (DISP-X)
変位 y 成分 (m) (DISP-Y)
変位 z 成分 (m) (DISP-Z)
変位絶対値 (m) (DISP-SQR)
ファイル magnetization#
MAGNETIZATION(10.3)
要素の磁化または磁界強度,MAGNET(17.7)
使用時の減磁率とパーミアンス係数を出力します。
<input ファイルで MAGNETIZATION(10.3)
=1 と設定した場合>
要素量として,磁化を \(T \, (Wb/m^2)\) で出力します。
磁化 x 成分 (M-X)
磁化 y 成分 (M-Y)
磁化 z 成分 (M-Z)
磁化絶対値 (M-SQR)
<input ファイルで MAGNETIZATION(10.3)
=-1 と設定した場合>
要素量として,磁界強度を \(A/m\) で出力します。
磁界強度 x 成分 (M-X)
磁界強度 y 成分 (M-Y)
磁界強度 z 成分 (M-Z)
磁界強度絶対値 (M-SQR)
<input ファイルで MAGNETIZATION(10.3)
=2 と設定した場合>
要素量として,減磁率とパーミアンス係数 (\(H\)) を出力します。
減磁率 (M-X)
パーミアンス係数 (M-Y)
ファイル electric#
E(10.3)
電位および電束密度または電場強度分布,または電流密度分布を出力します。電位の単位は \(V\),電束密度の単位は \(C/m^2\),電場強度の単位は \(V/m\),電流密度の単位は \(A/m^2\) です。
静電場解析 (STATIC(2)
=2) で (CURRENT(10.3)
=1) の時,出力します。
<input ファイルで ELEM_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
要素量(要素中心で評価します。)
電束密度 x 方向成分 (E-X)
電束密度 y 方向成分 (E-Y)
電束密度 z 方向成分 (E-Z)
電束密度絶対値 (E-SQR)
静電エネルギー密度 (V)
*仕様の関係上静電エネルギー密度は NODE_OUT の電位と同じものを使用します。
<input ファイルで NODE_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
節点量(節点に結合する各要素節点値を単純平均します。)
電束密度 x 方向成分 (E-X)
電束密度 y 方向成分 (E-Y)
電束密度 z 方向成分 (E-Z)
電束密度絶対値 (E-SQR)
電位 \((V)\) (V)
静電場解析 (STATIC(2)
=2) で (CURRENT(10.3)
=2) の時,出力します。
<input ファイルで ELEM_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
要素量(要素中心で評価します。)
電場強度 x 方向成分 (E-X)
電場強度 y 方向成分 (E-Y)
電場強度 z 方向成分 (E-Z)
電場強度絶対値 (E-SQR)
静電エネルギー密度 (V)
*仕様の関係上静電エネルギー密度は NODE_OUT(10.2)
の電位と同じものを使用します。
<input ファイルで NODE_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
節点量(節点に結合する各要素節点値を単純平均します。)
電場強度 x 方向成分 (E-X)
電場強度 y 方向成分 (E-Y)
電場強度 z 方向成分 (E-Z)
電場強度絶対値 (E-SQR)
電位 \((V)\) (V)
定常電流場解析 (STATIC(2)
=3) で (CURRENT(10.3)
=1) の時,出力します。
<input ファイルで ELEM_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
要素量(要素中心で評価します。)
電流密度 x 方向成分 (E-X)
電流密度 y 方向成分 (E-Y)
電流密度 z 方向成分 (E-Z)
電流密度絶対値 (E-SQR)
ジュール発熱分布 \((W/m^3)\) (Q)
<input ファイルで NODE_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
節点量(節点に結合する各要素節点値を単純平均します。)
電流密度 x 方向成分 (E-X)
電流密度 y 方向成分 (E-Y)
電流密度 z 方向成分 (E-Z)
電流密度絶対値 (E-SQR)
電位 \((V)\) (V)
ファイル iron_loss#
IRON_LOSS(10.3)
鉄損を計算するには,まず鉄損算出法の指定 (IRON_LOSS(11)
) が必要です。
<input ファイルで IRON_LOSS(11)
=1 または 2 とし,IRON_LOSS(11)
=1 と設定した場合>
要素量として,損失を \(W\),損失密度を \(W/kg\) で出力します。
積層方向渦電流損密度 (\(W/kg\)) (EL-DEN)
積層方向渦電流損 (\(W\)) (EL-VOL)
ヒステリシス損密度 (\(W/kg\)) (HL-DEN)
ヒステリシス損 (\(W\)) (HL-VOL)
<input ファイルで IRON_LOSS(11)
=1 または 2 とし,IRON_LOSS(11)
=2 と設定した場合>
要素量として,損失を \(W\),損失密度を \(W/m^3\) で出力します。
積層方向渦電流損密度 (\(W/m^3\)) (EL-DEN)
積層方向渦電流損 (\(W\)) (EL-VOL)
ヒステリシス損密度 (\(W/m^3\)) (HL-DEN)
ヒステリシス損 (\(W\)) (HL-VOL)
<input ファイルで IRON_LOSS(11)
=3 とし,IRON_LOSS(11)
=2 と設定した場合>
要素量として,損失を \(W\),損失密度を \(W/m^3\) で出力します。
ヒステリシス損密度 (\(W/m^3\)) (HL-DEN)
ヒステリシス損 (\(W\)) (HL-VOL)
ファイル COIL_force#
COIL_FORCE(10.3)
COIL 積分要素 ( MESH-(17.1.8)
)( LOOP-(17.1.8)
, GCE-(17.1.8)
, ARC-(17.1.8)
, MESH-(17.1.8)
)のローレンツ力の体積積分した電磁力をプリント出力ファイル output に出力します。CALC_IND(4)
=1 および COIL_FORCE(10)
=1 により要素量のみ出力されます。 MESHED_COIL
MESH(17.1.7)
を使用した場合のみ下に示す分布データが出力されます。なお, MESHED_COIL
MESH(17.1.7)
は post_geom ファイルには出力されません。
<input ファイルで ELEM_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
要素量(要素全体力で単位は \(N\) で出力します。)
電磁力 x 方向成分 (LFOR-X)
電磁力 y 方向成分 (LFOR-Y)
電磁力 z 方向成分 (LFOR-Z)
電磁力絶対値 (LFOR-SQR)
ファイル COIL_current(確認用)#
MESHED_COIL
要素 ( MESH(17.1.7)
) の電流分布を出力します(確認用)。MESHED_COIL
要素が使用された場合,自動的に出力されます。
<input ファイルで ELEM_OUT(10.2)
=1 と設定した場合>
要素量(要素中心で評価します。)
電流密度 x 方向成分 (J-X)
電流密度 y 方向成分 (J-Y)
電流密度 z 方向成分 (J-Z)
電流密度絶対値 (J-SQR)