3.リスタート#

前回の実行の結果を用いて,解析を行うモードをリスタートモードと呼びます。 EMSolution には大きく分けて[4個のプロセス]がありますが,リスタート機能により,それぞれのプロセスから解析を再実行することが可能です。これにより,前ランで実行したプロセスの続きを実行することができます。また,一部入力データを変更した場合,前ランの結果を用いリスタートできます。 リスタート機能により,特に同じ形状の問題を,ソース条件,計算ステップ,出力内容を変更して計算したい場合には,計算時間を著しく節約することができます。 各プロセスは以下の処理を行います。以下に,各プロセスからのリスタートのケースを示します。

PRE_PROCESSING#

  • 処理内容
    • メッシュデータ(節点,要素)の入力。

    • 辺要素の生成。

    • 境界条件の処理。

    • 要素行列,体積の計算。

  • リスタート
    • メッシュ分割変更時。

    • 導電率,線形透磁率の変更時。

    • 使用ポテンシャル変更時。

    • 境界条件変更時。

MAKE_SYSTEM_MATRICES#

  • 処理内容
    • 未知数,固定境界変数の割り当て。

    • 変数並べ替え。

    • 全体行列の生成。

    • ソース項の計算。

  • リスタート
    • 静磁場解析,動磁場解析,AC解析の変更を行ったとき。

    • 電流,磁場ソースの変更時。

    • 電源に接続されたソースの変更時。

    • 動磁場解析で時間ステップ間隔変更時。

    • AC解析で周波数の変更時。

    • ICCG加速ファクタ変更時。

SOLVE_EQUATION#

  • 処理内容
    • 方程式を解く。行列プレコンディショニングを含む。

  • リスタート
    • ソースの時間変化,初期値の変更時。

    • 非線形物性の変更時。

    • 前結果を初期値として,ステップを継続する場合。この場合,前実行の出力ファイル solutionsold_solutions とrename(名称変更)して入力ファイルとする。

POST_PROCESSING#

  • 処理内容
    • 結果の出力。

  • リスタート
    • 結果の出力のみを行うとき。

Caution

リスタート時は,前ランでの出力ファイルが必要ですので,基本的に生成されたファイルは消去しないでください。

リスタート時に出力されるファイルは上書きされるため,保存の必要のあるファイル(出力データファイル等)はrenameするなどして保存してください。