17.5 複数導体ポテンシャル電流ソース#

有限要素メッシュ内の複数の導体領域に電流を流すための電流ソースを定義します。

DCCURR はコイル領域の端面に電流入力面を定義し,複数のコイル領域の定常電流解析を実行して得られた電流密度分布を用いる電流ソースです。

DCCURR は複数の導体領域に電流を流すための電流ソースを定義します。

設定項目#

DCCURR(17.5) JSONキー:複数導体ポテンシャル電流ソースオブジェクト

SERIES_ID(17.5) 系列番号。

IN_ROTOR(17.5) 定義領域が回転子にあるかどうかのフラグ。

MAT_IDS(17.5) 領域設定する物性番号。

SMAT_ID(17.5) 導体を取り囲む面の物性番号。

CURRENT(17.5) 規格化電流値。

SIGMA(17.5) 要素の導電率

CAL_Je(17.5) 定義領域の渦電流を考慮するかのフラグ

設定フォーマット#

テキストフォーマットの折りたたみセクション
種類:

固定パラメータセット1

行数:

1 + NO_PARTS*1

パラメータ数:

3, 4, 2*NO_PARTS

Text format#
* DCCURR * SERIES_NO * NO_PARTS * OPTION *
DCCURR       I          I            I
* MAT_ID * SMAT_ID * CURENT * SIGMA *
    I       I       E        E
    I    E

NO_PARTSは、DCCURRに設定するプロパティ数を指定します。

JSONフォーマット#

JSON format from 2024.11#
"17_Field_Source" :
[
    {
        "DCCURR" :
        {
            "SERIES_ID" : I,
            "IN_ROTOR" : I,
            "data" :
            [
                {
                    "MAT_IDS" : [ I, I ],
                    "SMAT_ID" : I,
                    "CURRENT" : E,
                    "SIGMA" : [ E, E ],
                    "CAL_Je" : I
                }
            ]
        }
    }
]

詳細説明#

DCCURR はコイル領域の端面に電流入力面を定義し,複数のコイル領域の定常電流解析を実行して得られた電流密度分布を用いる電流ソースです。

Hint

二次元解析では電流入力面が導体定義領域と一致する場合使用できません。

三次元解析で複数のコイル領域に使用すると,曲がったコイル領域の場合内側に電流密度が偏った分布となります。

DCCURR#

DCCURR(17.5)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [1, 1]
:

文字列 (S)

説明:

複数導体ポテンシャル電流ソース ``DCCURR``の指定。

SERIES_ID#

SERIES_ID(17.5)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [1, 2]
:

整数 (I)

説明:

ソース項の識別番号。

テキストフォーマットの折りたたみセクション

NO_PARTS(テキストのみ)

固定パラメータセット1#
[row, col] = [1, 3]
Type=I

領域に設定するプロパティの数。NO_PARTSで指定したPHICOILは独立した導体領域と電流入力面を持つ必要があります。

IN_ROTOR#

IN_ROTOR(17.5)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [1, 4]
定義領域が回転子にあるかどうかのフラグ#

設定値

説明

0

固定部内。 デフォルト値

1

可動部内。

交流定常解析で,スライド運動でスリップがある場合, N_CORRECT(8) ≠0 の場合必要。

data#

data(17.5)#
JSONキー:

複数導体ポテンシャル電流ソースのデータ

data は配列で, DCCURR 要素の数だけ定義する。

MAT_IDS#

MAT_IDS(17.5)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [2, 1]
:

整数配列 (I)

説明:

複数表面定義電流を与える要素の物性番号 ( MAT_ID(16.1) )。

テキストフォーマットの場合,NO_PARTS分物性番号と導電率を指定します。

Note

JSONフォーマットでは複数の物性番号を配列で指定できます。

SMAT_ID#

SMAT_ID(17.5)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [2, 2]
:

整数 (I)

説明:

流入面を構成する面要素の物性番号。面方向は任意。

CURRENT#

CURRENT(17.5)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [2, 3]
:

実数 (E)

単位:

A

説明:

通過規格化電流量。

巻線コイルの場合,ターン数と読み替えると理解しやすい。

SIGMA#

SIGMA(17.5)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [2, 4]
:

実数 (E)

単位:

\(S/m\)

説明:

要素の電気伝導率。

MAT_IDS配列数の分だけ導電率を指定します。

CAL_Je#

CAL_Je(17.5)#
テキストフォーマットの折りたたみセクション
固定パラメータセット1#
[row, col] = [2, 5]
定義領域の渦電流を考慮するかのフラグ#

設定値

説明

0

定義領域の渦電流を考慮しない デフォルト値

1

定義領域の渦電流を考慮する。導電率は SIGMA(16.1) で設定した値を使用する。

Caution

  • 電流流入面は解析領域の Bn=0 面あるいは周期対称面に定義する。

  • 導体が連結している場合,流入面と接している物性番号の一面だけを行 2 に指定する。

  • 曲率のある導体の場合は,電流の偏りができる。

  • 周期対称面を通じて繋がっているコイルは一つの PART で定義する必要がある。

  • 誘導電流は含まない。

DCCURRの定義例

DCCURR の定義例#